作曲家を目指していたけど、なんやかんやでスーパーの店員になった若者のブログ

作曲家を目指していたけど、なんやかんやでスーパーの店員になった若者がキャリアについて書きます

「好きなことをすること」と「好きなことでお金を稼ぐこと」は全く違う

小5の夏、家にあったX-JAPANのVHSを見て衝撃を受け、音楽を始めました。

中学生になる頃には、自分は当たり前のように音楽プロデューサーになるもんだと思っていました。

12歳、根拠のない自信に満ち溢れていました(笑)

そこから、バンドを組んだり、解散したり、加入したり、脱退したりと、のらりくらり過ごしてしまい、大学3年の終わりころ、ようやくちょっと本気で行動に出ます。

「今の自分には何も誇れるものがない・・・。とりあえず、作曲家にならなければ!」

 

勢いでデモ音源を送り、制作会社と契約はしたものの、待っていたのは厳しい現実。

コンペの結果や自分の実力の無さ以上にショックだったのは、自分の情熱の薄さ。

あんなに好きだったのに、あんなに熱くなれてたのに、

ちょっと結果が出ないだけで、

「もういいや…」

と思ってしまった自分が不甲斐なくて、物凄くショックでした。

と同時に、昔からこの夢はちょっとでも諦めるような気持ちが出てきた瞬間に終わるべきだと考えていたので、物凄く寂しかったです。

 

 

僕はなんで作曲家を目指していたのか。

そもそも本当に作曲家を目指していたのか。

よく考えてみたのですが、実は動機が不純だったんです。

もちろん、音楽を作るのが好きだからとか、自分の作った音楽で多くの人に何か影響を与えたいとか、そういう気持ちが根本にあったのは確かです。

でも、なんで作曲家として生きていこうという考えに至ったのか。

 

 

 

ラクしたかったから。

 

です(笑)

今さら努力したくないし、他に興味のあることもないし、たまたまちょっとだけ作曲できるから、これが仕事になったらラクだろうなぁ~なんて思ってました。

今思えば、本気じゃなかったんですね…。

 

制作会社に半年いて、

「好きなことをすること」と「好きなことでお金を稼ぐこと」は僕にとって全く違うなってことに気づいたんです。

働いてお金を稼ぐには、もっと違う考え方を持たなきゃいけないなと。

 

そこで、自分がしたいことじゃなく自分がどうなりたいかを軸に就活をしながら、仕事って何ぞやと考え始めました。

 

 

「会社は学校と違う」とよく耳にします。

確かにその通りです。

その通りですが、僕は、人生、環境全てが学びの場であると思ってるので、会社を学校と捉えて入社しようと決めました。

そして、なりたい自分になれる(成長させてくれる)環境、職種を求めて就活していた矢先、僕は入院しました。

扁桃周囲膿瘍という感染症でした。

1週間、一切の飲食禁止。ずーっと点滴生活(^^)

けっこう精神的にしんどかったです。

でも僕はここで、人生を変えた大きなきっかけに出会いました。

 

それは、看護師さんたちの働く姿です。

※ナース服に萌えたとか、そういうんじゃないです。(多少あったけど…( ̄▽ ̄)←)

 

とにかく、看護師さんたちのサービス精神に感動しました。

何が凄いって、会話力なんです。

点滴を変えるとき、食事を持ってきてくれるとき、何気なく様子を見に来てくれるとき。

いつも、たわいもない雑談をしてくれるんです。

そんな少しの、些細なコミュニケーションに、僕はとても感動しました。

そしてこう考えるようになりました。

 

仕事の醍醐味は、ほんの少しのプラスアルファの部分にあるのかもしれない

 

 

何も話さず点滴を変えていても、給料はもらえるはず。

何も話さず食事を運んでいても、給料はもらえるはず。

 

でも、彼女たちは皆、違いました。

実務とは関係のないところで、輝いているような気がしました。

そして僕は、強い尊敬と憧れを抱くようになりました。

「仕事って、こういうことなのか!」と、分かった気になり、

BtoCの仕事、接客・販売業に就こうと決めました。

周りからは、向いてないって言われました。

周りの気持ちは、物凄くわかります(笑)

自分のことをメロディーメイクの天才だと思い込み、自分の世界に閉じこもっていた大学生時代は全く愛想がなかったですから…。

でも、そんな僕でも新たな自分に出会えそうな気がして、あえて接客・販売業に絞って就活しました。

 

扱う商材は特に気にしてませんでした。

ただ、ノルマに追われてビジネスライクな会話ばかりの接客はしたくないなぁとは思っていたし、どうせなら人々の日々に寄り添える仕事がしたいなぁとも思っていました。

そんなこんなで、特別「食」に興味はなかったのですが、スーパーマーケットに入社することになりました。

 

 

 

人って、誰にでも変化するタイミングがあると思います。 

作曲家を目指していた理想の自分がサラリーマンに、スーパーマーケットの店員になると決まった時、過去を振り返るとそこには恐怖がありました。

どこでミスったんだろうと自分を責めたりもしました。

でも、それは本心じゃないんですよね。

 

周りの目を気にした甘え

 

なんだと思います。

 作曲家なんて、スポーツ選手なんかとは違い、いくつになっても目指せますからね。

でも、僕は目指さなくなりました。

諦めとは違います。

受け入れです。

本当のなりたい自分は職業と全く関係のないところにいると気づき、変化することができたのは、本当にラッキーだったと思います。

 

これから自分がどんなキャリアを形成していくのかわかりませんが、

とりあえず、目先のことを頑張ろうかなと思います。

この記事がキャリアに悩む人にとって何か良いきっかけになれば幸いです。